線維腺腫は、代表的な乳腺の良性腫瘍(全体の20~35%)で、15~35歳の女性に多くみられます。線維性の間質成分と腺上皮成分の両者の増生する混合腫瘍に分類されます。多くは孤立性で1~2㎝の大きさで認められ、約20%で多発または両側性にみられます。ころころとしたしこりで、触るとよく動きます。硬さは、軟らかいものから硬いものまでさまざまです。線維腺腫のなかに乳がんが発生することは非常に稀なため、基本的には治療の必要はありません。腫瘤径が大きい場合(3㎝超)や、急速に大きくなる場合では、手術(腫瘤摘出)が必要な場合があります。