乳腺炎(授乳期乳腺炎、乳輪下膿瘍、肉芽腫性乳腺炎)


乳腺炎は、急性乳腺炎と慢性乳腺炎に分けられます。

急性乳腺炎には、乳汁の流れが不十分となるうっ滞性乳腺炎(主に授乳期)と、さらに細菌感染が加わった化膿性乳腺炎などがあります。授乳されている方で、乳房に痛みが出現し、皮膚の赤みや熱感、腫れを認める場合は、まずは産院または助産師外来にご相談ください。他に発熱や悪寒などの症状もみられることがありますが、発症して間もない時期では、乳房マッサージや搾乳などで症状が改善することが多いので、この場合も産院または助産師外来へ早めに相談されることをお勧めします。ただし、症状が改善せず、助産師さんに乳腺外科外来を勧められた場合などは、当院までご相談ください。その場合は、化膿性腺炎の可能性があり、抗生剤治療が第1選択となりますが、増悪した場合は外科的治療(切開排膿)を行います。治療にかかる期間は、1-2週間程度となります。

一方、慢性乳腺炎には、再発することも多い乳輪下膿瘍(にゅうりんかのうよう)や、難治性の肉芽腫性(にくげしゅせい)乳腺炎などがあります。乳輪下膿瘍は、乳輪の周囲に出現する膿のたまりで、もともと乳頭が陥凹している方に多い傾向があります。乳輪部に痛みが出現し、皮膚の赤みや熱感を伴い、乳輪部が硬く触れるなどの症状がでます。抗生剤などで完治することもありますが、何度も繰り返す場合や、外科的治療(切開排膿など)が必要となる場合もあります。肉芽腫性乳腺炎は、やや稀な乳腺炎で、出産歴のある女性で、断乳後2-3年後に発生することが多いのが特徴です。
症状は、乳房のやや広い範囲に硬いしこりとして触れて気づきます。発症して間もない時期では、痛みや赤みがみられないこともあるので、乳がんとの鑑別が難しい場合があります。臨床所見や超音波検査(エコー検査)などで診断しますが、鑑別が難しい場合では組織診(生検)を行うこともあります。自然治癒しない難治性の場合は、ステロイド治療を行います。数週間~数ヶ月間の治療となりますが、多くは1年以内に軽快します。当院では、慢性乳腺炎の治療も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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