乳腺症は、30~40歳代の女性に多くみられる乳腺の良性変化をまとめた総称です。やや専門的な内容になりますが、病理学的には、7つの部分像(アポクリン化生、囊胞、閉塞性腺症、乳管内乳頭腫症、線維腺腫症、小葉増生症、硬化性腺症)が、1つまたは複数組み合わさって形成されることが多く、頻度は高いとされています。主な症状は、硬結(硬くふれる)、疼痛(乳房の痛み)、異常乳頭分泌が挙げられます。
乳腺症のなかには、正常の範疇の病態から、乳がん発症リスクの高い病態までさまざまです。精密検査が必要な乳腺症の場合は、組織診(生検)等で乳がんとの鑑別を行うことがあります。一方、検診結果で乳腺症という診断でも、要精密検査となっていない場合は、特に心配はありません。